人気漫画のワンピースの登場キャラ、トラファルガー・ローが主人公です。
ローはフレバンス出身でこのフレバンスの地層にある鉛の「珀鉛」により体が蝕まれ「珀鉛病」という病気です。
この珀鉛病は見た目にもわかる病気で皮膚に白い模様(実際にある症状ならば白斑が近い)が浮き出て差別の対象になります。架空の病気ですが実際に似た病気はあるのでリアルです。
(うつる事はないのですが知識の無い人にはうつると信じられていた為)
その後ドフラミンゴと対立し、コラソンと死に別れたローがベポとペンギンとシャチに会い、優しい大人達にも出会う…という物語が軸になっています。
この物語はアマゾンでは割と好評なのですがローの性格があまりにも原作と違い過ぎてなじめませんでした。
ローはコラソンの本懐を遂げる為にただひたすら淡々と生きていたような書かれ方が原作にあったので、このような心温まる日常がローにあったとは思えない…
ベポとペンギンとシャチは元々の仲間なので仲が良いのは間違いないとして、町の大人達やヴォルフとのやり取りは疑問が残りました。ここまで愛されるならば心も溶けてドフラミンゴへの憎しみも薄まりそうなものです。
オリジナルキャラのヴォルフが出しゃばりすぎていて、もうヴォルフが主人公でいいんじゃないの?と思いながら読んでいました。
多分小説を書いた坂上さんが気に入っていたんでしょうね。
ヴォルフが町はずれに住んでいる、奇妙な発明をする、など後半に続くオチなどが最初の方にわかる親切な小説でした。
花マル無敵号(ポーラータング)がヴォルフが作ったという設定なのですが、かなり無理があるような気が…このポーラータングは潜水艦で高性能な海賊船なのですが、これをいくら元気とはいえ老人一人で作るのは無理でしょう…
ベポの月の獅子(スーロン)設定もここでは不要だったのでは…
漫画のサイドストーリーは好き嫌いが分かれるのでギャンブル性がありますが、この小説は珀鉛病と闘うロー闘病記でもあるので読むしかなかった。
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ONE PIECE novel LAW
原作 尾田栄一郎
著者 坂上秋成
発行者 北島輝幸
発行所 株式会社集英社
2020年4月8日第1刷発行
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