手島悠介さんの「かぎばあさん」シリーズ一作目です。
私が小学生の時にものすごく流行ったのですが今読んでも面白かったです。
鍵っ子によりそい手厚いケアをしてくれる優しいおばあさん…なのですが、現在だと通報されてしまいそうです。
人の家の鍵をあけて無断で入り、いろいろ作業をするのはちょっと問題あり?
まあ児童文学なので細かい事は気にせずに楽しむ方が良いですね。
小学生の広一は算数のテストで35点という悪い数字を取ってしまったため、自宅に戻る時にいろいろ考え事としていました。おそらくそこで「鍵」を落としてしまい家に入れず苦労します。
そうするとどこからか「かぎばあさん」があらわれ、おばあさんの鍵の束を使い団地の自宅の鍵をあけてくれました。
広一は一応「おばあさんは悪い人かも…どろぼうかも…」とあやしむものの、おばあさんにいいくるめられてしまいます。
おばあさんは自分の昔話もしてくれました。小さい時はいやしんぼうで木いちごの青い実を食べてチフスになったっ事、今はいやしんぼうは治り、高血圧で心臓もよくない(心臓が弱い)し、神経痛で頭痛もあるしお肉は食べられないという事がわかりました。
具合が悪そうなのに広一にご飯をつくってくれるおばあさんって優しいですね。
最後におばあさんは広一の元を去りますが、雪の上には足跡がついていませんでした。
最後にホラー要素があるところが面白いですね。
算数のテストの点数で悩んでいた広一は帰宅したお母さんに告白しますがお母さんは怒りませんでした。お母さんも優しくてホッとするお話です。
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ふしぎなかぎばあさん
作 手島悠介
絵 岡本颯子
発行者 黒田丈二
発行所 岩崎書店
1976年12月20日第1刷発行
2010年6月15日第79刷発行
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