小学校五年生のみずほが主人公。
みずほのおじいちゃんは五年前に大腸がんで手術をしますが肺に転移をしてしまいます。おじいちゃんは積極的な治療をせずに毎日を淡々と過ごしていきます。そんなおじいちゃんとみずほのやりとりが心温まります。
表紙を見ててっきり「りんご農家」のお話かと思いきや、ほとんどりんごが関係なかったのは少々残念…
「たとえあした、世界が滅亡しようともきょうわたしはりんごの木を植える」というルターの名言がおじいちゃんからみずほに伝えられます。りんごの影はここだけで残念。ルターの言葉は小学生にはむずかしいかもしれない…
理解のある優しい父母、優しい兄、オシャレで素敵なおじいちゃんおばあちゃん(母の父母)と二世帯住宅の家族関係が美しすぎて現実味に少し欠ける気がしました。
病気の、しかもがん再発患者を自宅で介護していてここまで穏やかに暮らせる家族はそうはいないのではないでしょうか…(たいていどこかギスギスした雰囲気が漂う)
おじいちゃんは最後に穏やかに亡くなりますが、あきらかに成長したみずほがピアノに再チャレンジするという明るい未来が感じられる終わり方が良かった。
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りんごの木を植えて
作 大谷美和子
絵 白石ゆか
発行者 千葉均
発行所 株式会社ポプラ社
2021年4月第1刷発行
2022年4月第2刷
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