闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

顔を失くして「私」を見つけた

ルーシー・グレアリーさんによる自伝です。

ユーイング肉腫を9歳の時に発病し、顎の部分が酷く変形した状態で多感な時期を生き抜いていたからか、再発の恐怖心などではなく徹底的に「自分の顔」について向き合っています。

 

○歳の頃、と言う表現がほぼないので時系列がわかりにくいのですが、とにかく「顔」の事について書かれているので問題なしです。

途中で何回も「なぜマスクをしないの?」と思ってしまうのですが、これは日本人の考え方ですね…外国の方はコロナウイルスが流行る前まではほとんどマスクはしないと聞いた事がありますし。

 

ルーシーさんの他者をみる目が優しい事に驚かされます。

入院時に会ったマイケルという17歳の少年のエピソードが印象的でした。マイケルは友人の家のプールに二階建てのビルから「自ら」飛び込んで下半身が永久に麻痺してしまいます。

取り返しのつかないマイケルと違って自分の顔は形が変わっただけで二度と顔を持てないわけじゃない…と考え直す所の描写が感動的でした。

 

元の顔には戻ることは無かったようですが、カバーの後ろの部分の折り返しにある写真のルーシーさんは美しく、少しひきつれ等はあるようですが普通の顔に見えます。

どれほど人にとって「顔」が大事かがわかる本でした。

----------

にほんブログ村 本ブログへ
にほんブログ村

----------

顔を失くして「私」を見つけた

著者 ルーシー・グレアリー

訳者 実川元子

発行者 徳間康快

発行所 株式会社徳間書店

1998年1月31日第1刷

----------

----------