交通事故によって昏睡状態になった10歳のロビー・エインズリーが主人公。
この話はラッキーという犬がカギになっています。
しつけのなっていない犬で玄関から門まで待てもできずにすっ飛んで行き、あげくのはてに自ら車に飛びこみ、それを追いかけていたロビーも巻き込まれる形で交通事故にあってしまいます。
犬のしつけさえきちんできていれば避けられた事故です。
交通事故にあい昏睡状態にあるロビーですが耳は聞こえ話は理解できているので看護師さんの会話や友人のテープ、家族の声はどはきちんと理解しています。
そして大ファンのサッカー選手、ジャンフランコ・ゾラがお見舞いに来た時には心底目を覚ましたいと願っています。
ところでジャンフランコ・ゾラは実在の選手なのですがウィキペディアやネットを見ても昏睡状態の子どもを見舞ったというエピソード等はありませんでした。
この「負けるな、ロビー!」はフィクションですが、フィクションに実在の人物を登場させるのはアリなのでしょうか…?
本人の了承を得ているのかが気になりました。
本文によく歌が出てくるのですが、曲のチョイスが渋すぎるのでもう少し現代っぽい方々を選べば良かったのにと思ってしまいました。
もちろんいい曲だということは知っていますが子供向けの本に出すならもう少し若い選曲が良かったかも。
ビートルズやカースティ・マッコール、ミュージカル「オリバー!」の曲やバディ・ホリー等々。作者の趣味でしょうけど児童書に出てくる選曲にしては渋い。
ロビーが目を覚ますきっかけを作ったのはラッキーでした。実は生きていたラッキーを両親は無断で病室に連れ込み、会わせることによってロビーは目を覚まします。
ラッキーお手柄です。
最後はジャンフランコ・ゾラは目覚めたロビーを試合に招待し、一緒にボールを蹴ります。
長い間寝たきりだったのにすごい回復力です。
実在の人物がフィクションの主人公とサッカーを楽しんでいる…のはあまり気にしてはいけないのですがどうしても気になってしまいました。
バラバラだった両親も仲良くなって安心しました。
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負けるな、ロビー!
著者 マイケル・モーパーゴ
画家 マイケル・フォアマン
翻訳者 佐藤見果夢
発行者 竹下晴信
発行所 株式会社評論社
2008年9月10日初版発行
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