白血病で16歳5か月で亡くなった佐藤由美さんの日記がまとめられている本です。
日記帳の名前は「ぎんぶちさん」渋い名前です。
元々は新潮社より自費出版された本が新潮文庫に収められることになったという珍しい本です。
表紙は可愛い女の子がシャボン玉で犬と猫と遊んでいるというファンタジックなイラスト。
表紙をめくるとショートヘアで可愛い佐藤さんやセーラー服の佐藤さんの写真などが掲載されています。
日記のなかでしょっちゅう「男の子と間違えられる」と書いてありますがどっからどうみても女の子なので違和感が凄い。このかわいい顔だちで男の子に間違えられまくるのは変だな…と思いながら読んでいました。
髪のようすが似ているからジルベールというあだ名がついていると書かれていますが顔が可愛いからだと思われます。
男の子には見えないけどなあ…
佐藤さんは読書が大好きで、星の王子さまやその他の名作をものすごく読んでいます。
読書感想文ノートの伊豆の踊子の感想がまとめられていますがお見事です。
私などは伊豆の踊子を読んでも「私を見つけて裸で飛び出す踊り子の事をわざわざ書く上から目線がなんだか嫌いだ」としか思えなかったのに…
佐藤さんが昭和54年1月12日の日記で自分の病気の事を予知しているので怖くなりました。「わたしが、もしも白血病になったらどうするだろう」と日記に書いています。
その後、昭和55年の9月24日に母親が娘が白血病であることがわかったと書いているので佐藤さんが「自分が白血病だったら」と考えてから半年ほど過ぎて白血病になっているという…予知能力が凄い。
白血病であることが分かった佐藤さんですが、日記にはほとんど闘病の事は書かれていません。
日常の事だったり恋の事だったり爽やかですがすがしい日記が多いです。
好きな人の事をおそらく本名の中村さんとそのまま書いているのですがこれはフッた側から読むと心苦しいのでは…佐藤さんお亡くなりになってしまっているし…
「さとうゆみという子がおりました。忘れないでよ、ねえ、ねえ、みんな」と日記に書いているように佐藤さんは忘れられることがとても怖かったようです。
一度でも本を読んだ人は絶対に忘れないと思います。
私は出版された当時の昭和59年頃(9歳頃かな?)、この本を読んでいたのですが突然タイトルをふっと思い出して改めて読みなおしました。
佐藤由美さんの事は忘れませんよ!
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シューベルトさまこんにちは
著者 佐藤由美
絵 むかいながまさ
発行者 佐藤亮一
発行所 株式会社新潮社
昭和59年10月25日発行
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