原爆の子の像のモデルとなった佐々木禎子さんの人生をまとめてある本です。
イラストがとても素敵。
佐々木禎子さんといえば折り紙をひたすら折っていた少女…というイメージがあったのですがこの本でそうではなかったことがわかりました。
実兄の雅弘さんが書いているため読みやすいです。
少し思い出訂正が入ってるかな、と思う部分もあるのですがお兄さんが妹を思う気持ちが伝わってきます。
禎子さんは原爆により亜急性リンパ性白血病という診断を受けてしまいましたが白血病とわかってからは気の毒過ぎました。
物凄く痛いはずなのに痛み止めを我慢していたり自分の病名を知らされないまま白血球の数値をメモしたり…
このころのカルテは患者さんが意識すれば勝手に見ることができて個人情報なんてものは存在していないから怖くなります。
それにしても禎子さん自分の病気がわかる年代だったのになぜ白血病と本人につたえなかったのか…
頭の良い禎子さんなら自分の病気がわかっていた方が治療しやすいと思うのに…
そういう時代だったんだなあ…
最期には白血病と左の腹部全体にまで広がった大きな皮膚がんによりどんどん痩せてしまい、食欲不振、頭痛、不眠、左膝から下の激痛、40度前後の発熱が続きます。
亡くなってからの解剖で甲状腺がんも発症していました。
ものすごく痛かっただろうな…
お父さんがクリーニング店の主人の借金の保証人にさえならなければ禎子さんはモルヒネをかなり使えたのに。クリーニング店の主人め!
この時代の健康保険がまだ未熟だった事が悔やまれます。
戦争の結果、病気になるなんて残酷すぎる。
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禎子の千羽鶴
著者 佐々木雅弘
装画・本文イラスト くまおり純
発行人 脇谷典利
発行所 株式会社学研パブリッシング
2013年7月23日第1刷発行
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