闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

永遠の昨日

17歳の高校生青海満と山田浩一の恋愛のお話。ただ浩一は「死んでいる」状態で満と恋愛しています。

 

浩一はトラックとの交通事故で頸髄損傷、骨折、命にかかわる症状があり心臓は止まり実際には死んでいるのに動いています。

友達にも浩一が死んでいるのに生きていると紹介するも意外とすんなり受け入れられて驚き…

 

主人公の満が医者の息子。母親が呼吸器系の病気(病名不明)で死んでいて父親とは微妙に不仲…という使い古された主人公像なのがキツイと思いながら読むことになりました。

母死亡(もしくは不在)、エリート父と不仲な主人公がやたら多いのでこういうシチュエーションをみたら「またか!」と思ってしまうようになりました。

 

BLあるあるの攻の前になると雌になっちゃう受…風邪ひいて攻に看病されちゃう受…本当は好きなのに攻にツンツンな受…とかBLあるあるテンプレがここでもかと発動するので浩一の死んでも生きている謎とか全然頭に入らなかった…鬼って何?

 

この本は2002年に笠倉出版社から、2010年に白泉社から刊行された作品を改稿し文庫化したものとあります。

なるほど、最後の260ページからのお話は書きおろしですね。新型コロナウイルスで大変になっている部分が追加されています。浩一が本当に(?)死んでからも満は喪失感と闘っていますが37になった今でも浩一を愛していると〆られます。

 

このお話BLである意味あったのかな~と思いながらも作者の文章が上手いので一気読みできました。浩一を轢いたトラック運転手の事故の影響が貧血だけで済み、浩一からも罪を許されていてモヤモヤ…交通事故を起こした人間は裁かれるべきです。

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永遠の昨日

著者 榎田尤利

発行者 青柳昌行

発行 株式会社KADOKAWA

令和4年3月25日初版発行

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遺伝子医療と生命倫理

「遺伝子医療における社会的・倫理的問題を考える」シンポジウムの一部をまとめている本です。

貝谷久宣さんと日本筋ジストロフィー協会が編者なので筋ジストロフィーの話題がかなり多いです。

 

受精卵診断出生前診断遺伝子治療など最近よく話題になる単語がどんどん出てきます。

デリケートな問題なので特に出生前診断などは話題にすることが難しいのですが当時の出生前診断の考え方などが丁寧にまとめられています。

 

柳澤桂子さんの特別寄稿「筋ジストロフィーについて思う事」が興味深い内容でした。筋ジストロフィーの遺伝子が同定されたのはB.Bという少年が大きな貢献をしたからというお話。デュシャンヌ型筋ジストロフィーであった彼は交通事故にあい亡くなるも体の組織の一部が取り出され細胞は今も研究室の培養皿で生きているとか…SFの世界みたいです。

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遺伝子医療と生命倫理

編者 貝谷久宣 日本筋ジストロフィー協会

発行者 林克行

発行所 株式会社日本評論社

2001年4月30日第1版第1刷発行

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聴導犬くんれん生ふく

東日本大震災の後、ガレキだらけの町で生まれた白い犬のふくが主人公。

聴導犬訓練生なので厳密にはまだ聴導犬ではないのですが聴導犬のカテゴリーでまとめています。

 

絵がとてもかわいいのですがふくに眉毛が描かれています。

まろ眉の犬ではないのに犬に眉毛をかくと一気に人間臭くなるので眉毛は無い方がよかったかも。

カバー折り返しにふくの実際の写真も掲載されています。

 

聴導犬の訓練生ということでふくは元気に跳ねまわったり遊んだり、訓練士のれなさんと楽しそうに毎日を送っています。

やんちゃですが人間が好きなふくなのでりっぱな聴導犬になれる事でしょう。

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聴導犬くんれん生ふく

作 鈴木びんこ

発行者 田所稔

発行所 株式会社新日本出版

2017年2月25日初版

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アンチエイジングのまじめな話

マリアンネ・コッホさんによるアンチエイジング本です。

2008年に出版された本ですが今でもあまり古くなっている気がしません。

なぜなら…

●アルコールを飲み過ぎない

●脳細胞をよく使う

●食べ過ぎない

●ストレスをためない

●老化は病気ではない

…という当たり前のことを丁寧に書いているからです。

どれだけ時代が移り変わろうとこれらは変わらない部分なので大事にしたい部分です。

 

趣味を持って健康にイキイキ生きていれば自然とアンチエイジングになることがわかりました。

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アンチエイジングのまじめな話

著者 マリアンネ・コッホ

訳者 古川まり

発行者 尹泰聖

発行所 株式会社オープンナレッジ

2008年2月23日第1刷発行

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たっくん

色素性乾皮症のたっくんが主人公。たっくんの本当の名前は「匠」くんです。

たっくんはお日様にあたれず、色素性乾皮症のためそばかすが多いです。外へ出るときは大きな帽子をかぶり、長い手袋をして肌をまもっています。

 

たっくんはうまく歩けずできない事も多いですが、いじめられている友達「みーくん」に「どうしたの?」と声をかけたりとても優しい心を持っていることがわかります。

 

たっくんはまわりの人を笑顔にする魔法を使えるという可愛らしい終わり方をします。現代のお話なのに急に魔法が出て来ていきなりファンタジー風になりますが絵本なので不自然な所はありません。

 

巻末のあとがきにお母さんの榊原妙さんの匠君への思いが綴られています。

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たっくん

作 さかきばらたえ ながおたくま

発行所 株式会社三恵社

2021年9月1日初版発行

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名探偵コナン 94

名探偵コナン94は前回の続きから。唯一の犯人の声を聴いた人が視覚障害のあるおじいさんで事件がこんがらがっています。

殺人犯は息子が自殺した原因が抜谷さんにあると思い込んだ法村稔司さん。とばっちりで死んでしまった抜谷さんが可哀想すぎるオチでした。

そして人が一人死んでるのに愛だの恋だの盛り上がっている蘭が怖すぎました。

最後にサラッと京都のお嬢様紅葉が登場します。私このキャラ苦手なので辛い展開になりそう…

 

FILE.2「蘭の跡を…」ではめずらしく探偵っぽい作業をするコナンとおっちゃんがカワイイ。蘭が京都の事を考えながらウキウキしているのが気に食わないコナンが蘭の跡をつけています。

案の定蘭が立寄ったカフェで殺人事件が起こります。案外サクッと事件が解決したのでびっくりです。殺人事件があったのにもかかわらず修学旅行の話をしている三人娘にゾッとしました。

 

FILE.8「鮮紅の天井」では刺殺事件発生。修学旅行中に事件とは…せっかく高校生にもどった新一と蘭が仲良くしている幸せなお話だというのに。

新一が高校生の姿に戻れるのが期限付きなので服部が替え玉を頑張るのが健気です。

修学旅行先では新一達と紅葉がばったり会います。刺殺事件の謎は次巻に続きます。新一がコナンに戻ってしまいそうではらはらします。

 

ところで紅葉と蘭たちは面識があるような流れになっていましたが単行本で絡みってありましたっけ?コナンの単行本はとびとびで読んでいるので紅葉が出てきている巻をとばしているのかも?ネタバレよけで単行本の内容は検索していないので読み飛ばしの巻があるかもしれない。1巻からまとめて順番に読みたいですね。

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名探偵コナン 94

著者 青山剛昌

発行者 縄田正樹

発行所 株式会社小学館

2017年12月23日初版第1刷発行

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障害を理解しよう 車いすの人たち

車いすに乗った人たちを理解できるよう解説してある本です。

 

外国の本の翻訳本なので写真が外国ですが全く問題ありません。ノスタルジックな昔の写真が多く使われているのでオシャレな雰囲気もあります。

 

紹介されている症状、障害としては車いす利用者がメイン。

脳性まひ、筋ジストロフィー、骨形成不全症、関節炎、二分脊椎、多発性硬化症、ポリオ、くる病、地雷により足が不自由、交通事故により体が不自由、筋委縮性側索硬化症(ALS)…などが紹介されています。

 

車いすに乗っていても充実した生活が出来るという事で学習、遊び、仕事、余暇の楽しみ、スポーツ等も紹介されています。

車いすバスケットボール、水泳、チェアスキー車いすラソン車いすダンスなど美しい写真が掲載されています。

 

理解しようとするだけでなく仲良くなれるように書かれている所が良いと感じました。

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障害を理解しよう 車いすの人たち

著者 ルイス・キース

日本語版監修 茂木俊彦

訳者 京兼玲子

発行者 小峰紀雄

発行祖 株式会社小峰書店

表紙イラスト・デザイン 桑原伸之

2000年2月15日第1刷発行

2000年6月20日第3刷発行

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山手線で心肺停止!アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて

山手線で心肺停止になってしまった熊本実加さんが社会復帰するまでの道のりを書いています。漫画が多めなのですいすい読めます。

 

冠攣縮性狭心症で倒れた熊本さんですが駅員さん達の見事な対応により命がつながります。

低酸素脳症による高次脳機能障害になってしまい幻聴や妄想に苦しめられるもリハビリで確実に回復している様子は清々しいです。

新型コロナウイルスによるコロナ禍で通院リハビリが一時的に中止になってしまったり、自宅で胸が痛みニトログリセリンを飲むも痛みは治まらず処置を受けたり、痛みの原因は胆泥、胆砂と伝えられたりとトラブルは続きます。

 

飼っていた三匹の猫たちも「猫互助会」を結成していた事によりバッチリ対応していて素晴らしいと思いました。猫や犬などと暮らしている人はどうしてもペットが後回しになってしまいがちですがすぐにメンバーが助けていて感心。

 

在宅リハビリをしながらも救命講習を受け、社会に恩返しをしようとする前向きな熊本さんを応援したくなりました。

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山手線で心肺停止!アラフィフ医療ライターが伝える予兆から社会復帰までのすべて

著者 熊本美加

漫画 上野りゅうじん

発行者 鈴木章

発行所 株式会社講談社

2022年6月20日第1刷発行

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鬼ばばの島

まめつぶほどの小島に1人で暮らしている鬼ばばの物語。何もかも捨てながらも、島に流れ着いた人たちに心を動かされる鬼ばばがあどけなく、そして悲しいお話です。

 

鬼ばばは我が子を捨てたり、父親を食べたりと身内に対しては容赦ない所をみせますが他者に対しては危害を加える事はありません。

父を食べたのも土地がやせていて作物が育たず母乳も出なくなった為、仕方なく食べるという行為に走ります。カニバリズムというよりも飢えをしのぐ為に非常時で人を食べるというアントロポファジーなのでまだ救いがある気がする…

子捨てに関しては少しでも暮らしやすいようにと南に投げ飛ばしたあたり母の優しさが感じられました。

 

流れ着いたのは「若い男」「婆さま」「赤子」「犬」。

最後に出会った怪我をした犬だけは別れられずに一緒に島を出ることにします。タフな鬼ばばなので新たな暮らしやすい場所を見つけて幸せに暮らすのではないでしょうか。続編があれば読みたい物語です。

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文 今井恭子

絵 阿部結

発行者 野村敦司

発行所 株式会社小学館

2021年9月21日初版第1刷発行

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女といっしょにモスクワへ行きたい 宇多野病院筋ジストロフィ病棟

宇多野病院筋ジストロフィー病棟の若者たちの作品をまとめた本です。

絵・詩・短歌・俳句・感想文・小説などを読むことができます。

 

菅原文太さんが映画の「制覇」を撮影した時に訪れた宇多野病院筋ジストロフィーを知り、子供たちの詩集を出版しないかと現代出版に伝えたのがきっかけ。

 

題字・扉絵は何故か菅原さんのご家族が飾っています。

せっかくの筋ジストロフィー病棟の子どもたちの作品集なのだから芸能人の家族が題字と扉絵を描いてしまったのは残念。

題字も扉絵も病棟の子どもの作品が良かった。

 

タイトルはあまり良くないですね…

「女といっしょにモスクワへ行きたい」というタイトルを見てこの本を購入しようと思う人はあまりいないような…

女性目線ではまず手には取りたくないタイトルです。

柳原三枝子さんの作品に出てくる

「いいかげんここらで筋ジスやめたい。」

がこの本のタイトルにピッタリだと思いました。

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女といっしょにモスクワへ行きたい 宇多野病院筋ジストロフィ病棟

編者 菅原文太

発行者 岸田徹

出版 株式会社現代出版

1985年6月15日初版第1刷発行

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