闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

ポケットのないカンガルー

ポケットのないお母さんカンガルーケイティが主人公。

 

1981年版を読んだのですがカバーの折り返し部分に物語のあらすじからオチまで全部書かれていて萎えました。

オチまで書くことないじゃない…

 

お母さんカンガルーのケイティはかなりウジウジした性格をしています。

ポケットが無くても頑張ってフレディをかなりの大きさまで育てているので自慢できると言うのに。

 

「ポケットがないからフレディをどこへもつれていけない」

とケイティは事あるごとにめそめそめそめそ。

ポケットが無くてもフレディは自力で頑張ってケイティについていってるので時間はかかっても自力で頑張れるチカラがあるというのに…

 

その後はワニ、サル、ライオン、鳥、フクロウなどいろいろな動物と会っています。

 

ライオンの子どもに対して「ライオンの子どもはお前と同じ自分で歩くだけでかわいそう」

とか言ってます。

結構失礼なんじゃないかな…

自力でがんばって歩いているライオンの子どもがかわいそうと思えるケイティがかわいそうになってきた。

自力で歩いて偉いですよ!

 

最後は街にでてきて優しいおじさんにポケットのたくさんついたエプロンをもらいます。

ケイティのエプロンポケットに入ったフレディがいきなり縮んでビックリしました。

ケイティとフレディの比率が変わってます…

 

ケイティの考え方があまり好きになれませんでした。

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ポケットのないカンガルー

著者 エミイ=ペイン

絵 ハンス=A.レイ

訳者 西内ミナミ

発行者 今村広

発行所 偕成社

1970年2月1刷

1981年3月5刷

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僕は、これほどまで生きたかった。

元キリングセンスの萩原正人さんの書いた臓器移植についての闘病記です。

文章がとても上手く読みやすいので病気で吐血する時の描写がすごいです。

萩原さんは母子感染によるB型肝炎なのですが母親と妹は抗体ができており自然治癒していたのが幸いです。

 

爆笑問題の太田さんがとにかくいい人で驚きました。

当時あまり情報もなかった臓器移植についてどんどん調べて良い情報のみを萩原さんにもっていく優しさが凄い。

太田さんの情報がなかったら海外での臓器移植はなかったのでは無いでしょうか。

 

海外のついてからの移植待ちの描写が生々しいのでハラハラしながら読んでいました。

実際にはこうして本を出しているので生存している事はわかっているものの、あまりにもリアルな闘病描写で何回もヒヤリとする場面があります。

海外に来てからは腎臓も悪くなり、肝臓と共に腎臓の移植も決定します。

 

かなり長く海外に滞在し、体力気力も限界時点になってようやく肝臓と腎臓の移植がはじまります。

最後は元気よく日本へ帰国し一安心。あまりお金の苦労が出てこなかったのはさすがに芸能人と言った所でしょうか。

 

※下のリンク先は文庫本ですが私が読んだのは大きいサイズの本です。

文庫本の表紙とは違う萩原さんのベンツマークが表紙なので表紙は初版の方が良かったです。

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僕は、これほどまで生きたかった。

著者 萩原正人

発行人 中村守

発行所 株式会社扶桑社

発行日 2001年4月20日初版第1刷発行

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約束のネバーランド ~想い出のフィルムたち~

約束のネバーランドのマンガ完結後の世界を書いた小説版です。正直言うとこれを原作漫画で見たかったな~と思いましたが小説でその後が書かれただけでも良しとしますか…

 

エマが記憶喪失になっているのでエマの「想い出」をみんなで語っています。メインは孤児院のハウスでの思い出になるので平和というか激甘というか…原作の死ぬようなバトルの思い出は少ないのでそこはもったいないかも…

(ドンとギルダの鬼との闘いの頑張りは素晴らしかった)

 

ノーマンの風邪ひきエピソードは前小説でも書かれていたのでネタの使いまわしはがっかりです。

たくさんの子ども達を見捨てて見送ってきたレイにはもっと罪悪感で苦しんでほしかったけどさらっと「昔は酷かったけどそれを乗り越えて良い人になってしまった毒の抜けた人」っぽくなってしまってもったいない。

 

アニメ二期さえしっかり作っておけば鬼滅の刃に負けないコンテンツになったのになといまだに引きずっています。

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約束のネバーランド ~思い出のフィルムたち~

原作 白井カイウ

作画 出水ぽすか

小説 七緒

発行者 北畠輝幸

発行所 株式会社集英社

2020年12月9日第1刷発行

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じっちゃんはゆうれいになった

主人公は心平。心平にはおじいちゃんがいて、おじいちゃんは毎朝新聞を読むときには第一に死亡欄を見て「わしは、まだ、生きとる」と自分が生きている事を実感するのが日課です。

 

ある朝、手違いでおじいちゃん本人の死亡記事が新聞に載ってしまいます。普通だったら訂正の一報をいれると思うのですが面白い事におじいちゃんは「いい機会だ、このまま、ゆうれいになる」と自分は死んだことにして生活するようになります。

 

心平には信夫という友達がいます。信夫は腹痛を起こした時に母のスケジュールを変えてしまい、その時に母が鉄道の脱線事故で死亡した事によって心に傷が出来ています。衝突事故なので死亡者が42人もいたという悲惨な事故です。

 

ゆうれいになったおじいちゃんが信夫に「母が亡くなったのは信夫くんのせいではない」と励ますことにより信夫は立ち直ります。

 

死亡欄を見て自分が生きている事を実感したり、手違いで死亡欄に載ってしまったらゆうれいとして生きる事を選んだり、個性的なおじいちゃんが面白い物語でした。

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じっちゃんはゆうれいになった

著者 吉田道子

画家 渡辺則子

発行者 岩崎弘明

発行所 株式会社岩崎書店

1997年12月26日第1刷発行

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おかあちゃんにきんメダル!

交通事故で大怪我をして右手が曲がってしまった「母」を持つ「ぼく」のお話。

 

授業参観におかあちゃんが来るも、変色した曲がった右手を堂々と出してきて目立ってしまい、教室がざわざわしてしまうクライマックスの場面からはじまります。

 

障害をものともせず生きるかっこいいお母さんですが「ぼく」はなんだかおかあちゃんの障害が恥ずかしいようなやりきれない気持ちになってしまい気持ちが沈んでしまいます。

これは子供なら仕方がない。一目でわかる障害を堂々と出しているおかあやんがすごい人だとわかるには高学年くらいにならないと難しいかもしれません。

 

いただけないのは授業参加に参加したおかあちゃんをみるよその子供のお母さんたちの「嫌なものを見るような顔」…いい大人が障害をもった人をこんな目で見るなんてひどすぎると感じました。

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かあちゃんにきんメダル!

作者 いどきえり

画家 おしのともこ

発行 株式会社国土者

2022年8月30日初版1刷発行

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ブラック・ジャック2 手塚治虫漫画全集152

表紙は布のようなものを持つブラック・ジャック。今回もブラック・ジャックは様々な病気と向き合います。

 

第1話「奇胎」

お腹の大きい妊婦さんがメイン。貧血や流産などをくり返しており体調があまり良くない事がわかります。赤ちゃんが石の殻に包まれるという病名不明の症状でブラック・ジャックが手術。ブラック・ジャックは子どもの殻を持ち帰りますが個人的に持ち帰るのは気持ち悪いな~と思いました。(医者や研究者だったら研究対象なので気持ち悪くはないのでしょうね…)

 

第2話「二度死んだ少年」

犯罪を犯し投身自殺をした少年をブラック・ジャックが助け、助けるものの死刑になってしまう…という残酷なお話。死刑にするために助けたのでは無いというブラック・ジャックが印象的。

ただ私の考えとしては「二度死ぬ」方が正しいと思います。犯罪を犯した者が自分で勝手に死んでしまうというのは許される事では無いはず。

※大阪のビル放火犯が大勢の死者を出した際に自分が大火傷を負うも医師団は治療をしていましたが、治療もむなしく犯人が死亡した際にはほとんどの人が「回復後、罪を償って欲しかった」と語っていたのでブラック・ジャックの考え方は少数派だと思います。

 

第3話「ピノコ愛してる」

交通事故にあいトラックに轢かれ内臓破裂となった少年がチアノーゼを起こし死亡してしまうという悲しいお話。ブラック・ジャックは両親に腎臓提供を願うも移植は間に合わず…母親は腎臓提供を申し出ましたが、父親はクズなのでお金お金と大騒ぎです。こんな父親の元で生きていても不幸になる事は間違いないので少年にとってこの死はある意味幸せだったかもしれません。

 

第4話「アリの足」

小児まひまたの名をポリオで体が不自由な少年が本間丈太郎の書いた「ある身障者の記録」という本を読んで自らも自分の足で歩く旅をするお話。ストーカー気味のブラック・ジャックが見どころ。

闘病記好きとしては私も「ある身障者の記録」を読んでみたいです。

 

第5話「万引き犬」

万引き犬ラルゴ登場。ラルゴは危険を察知し人を助ける為に物を盗るという行動を繰り返します。最後は地震で家の下敷きになってしまうというオチが酷すぎ…

 

第6話「目撃者」

爆発物により飛び散ったガラスの破片が眼球に刺さり、視覚障害となった女性にブラック・ジャックが眼球移植をし、またすぐに見えなくなるお話。第2話の「二度死んだ少年」と同じく二回も苦しみを味わう事になる女性の気持ちを考え手術を断るもお金につられて手術をするブラック・ジャック。ただ、このお金は最後に手術をした女性に渡すよう伝えて去るというオチが凄いと思いました。

 

第7話「めぐり会い」

ブラック・ジャックの元恋人のめぐみさんが登場。子宮がんであることが「女であることをやめてしまう」と発言するブラック・ジャック…今だったら絶対言ってはいけない言葉だと思いますが昭和49年のお話なので仕方ないか。

今だったら普通にめぐみさんは女としてブラック・ジャックと恋人同士でも通用すると思います。ストーカー気味のブラック・ジャックが見られます。

 

第8話「古和医院」

無医村で30年医師を続けている古和先生に惚れこみバセドウ病の少女の治療を手伝うブラック・ジャックのお話。古和先生の人柄の良さが良くわかるお話です。割とブラック・ジャックは可愛いおじさんに弱い所がありますよね。

 

第9話「焼け焦げた人形」

たしかこのお話は私がブラック・ジャックを一番最初に読んだお話だった記憶があります。父親の実家に置いてあったチャンピオンコミックス版で読みました。火傷を負った少年を助けるため火事の中手術をするブラック・ジャックが素晴らしいです。

 

第10話「コマドリと少年」

腎臓病で具合の悪い少年をコマドリが見守るお話。手塚先生の描く小鳥はものすごくかわいいので最後に死んでしまったのが可哀想すぎました。

見どころは小鳥用に薬を調合してあげた薬屋さんの優しさです。

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ブラック・ジャック2 手塚治虫漫画全集152

著者 手塚治虫

発行者 野間省一

発行所 株式会社講談社

1978年10月10日第1刷発行

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何なん、難、難病!?

難病の自己免疫性脳炎を患い現在もリハビリをしているでじたんさんの7月22日12時頃の夢を元にした絵本です。

 

テーマがいまいちわかりずらい絵本です。自己免疫性脳炎を知ってほしい本にしては病状の紹介はあまり無いし、病気のつらさを知ってほしい本にしてはつらさに対するつらさ紹介はあっさり目。(絵本だからかもしれませんが)

 

両親に夢で会えた感謝の気持ちがテーマ?

 

巻末の医者からのコメントは残酷です。「メディカルスタッフと一緒にがんばりましょう」「希望は捨てずにがんばってみましょう」と頑張ることを強調しています…病気の治療等に「がんばる」は禁句なのでは。

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何なん、難、難病!?

作者 でじたん

絵 おのえみ

発売 リーブル出版

2022年9月6日初版第1版発行

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プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

グレースとロッキーのやり取りが続き、今後の地球の運命が気になるところで上巻が終わっていたので下巻も一気読みできました。下巻のグレースも上巻に続き火傷をしたり痛い思いをしています。

 

グレースも優秀ですがロッキーも相当優秀です。グレースの望むものをほとんど苦も無く作成できるロッキーのレベルの高さに驚かされます。

記憶をなくしていたグレースはだんだん過去の記憶を思い出してきますが決して望んで旅立ったというわけではないことがわかります。なんとなくお人よし感があったグレースなので驚きました。

 

最後、グレースはロッキーの故郷にて生活を始めますが、食べ物がないため壊血病脚気、栄養失調など体調不良に陥ります。ここで食糧問題の解決が意外な方法で解決していて安心しました。

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プロジェクト・ヘイル・メアリー 下

著者 アンディ・ウィアー

訳者 小野田和子

発行者 早川浩

発行所 株式会社早川書房

2021年12月25日初版発行

2022年5月15日6版発行

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