主人公は赤ちゃんの時の病気が元で足が不自由な律子。
病名は不明なのですが石橋マッサージという目の不自由な石橋先生にマッサージをしてもらうことによってだんだんと足が回復していきます。
その後の律子は足が多少は不自由ながらも自力で歩けるようになります。
無事に律子は小学校生活をむかえられるのですが友人達は冷たい…
わざと意地悪をしたり突き飛ばして転がされたりいわゆる「いじめ」にあってしまいます。
障害のある子をいじめるなんてひどい…とは思うのですが1986年の本なので当時の障害者事情を考えると仕方がない事なのかも。
気になったのはベランダに(お父さん作成の赤い)椅子を普通においていた事。
律子は団地でエレベーターに乗る階に住んでいるため一階以上という事はわかるのですがそれなのにお母さんはベランダに椅子を置きっぱなしにしています。
案の定律子はその椅子にのってベランダから落ちかける描写があるのですがヒヤリハットで済んで良かった。
律子のお母さんは律子にとって良くない母なのでは…と思う表現がたくさんありました。
①ベランダに椅子を置きっぱなしにする
②せっかく遊んでくれた省吾に対して激怒し、省吾は二度と律子と遊んでくれなくなる
③律子のいじめに対して学校に乗り込みみんなの前で「律子はかわいそうな子」アピールをし、クラスメートをドン引きさせる
④律子の障害を「骨折した」とウソをつく
④の障害に対して嘘をつくのもダメですが②の遊んでくれた省吾に対して母親が激怒したのが一番まずかった。
最初に省吾と仲良くなっていたら、この後は省吾と仲が良い事で他の子からのいじめもなかった気がします。
最後は運動会でハンディ点をつけることによってみんなで運動会を楽しむという和やかな終わり方になっています。
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わたし、五等になりたい!
著者 岸川悦子
画家 津田櫓冬
発行者 佐久間裕三
1986年7月18日第1刷発行
1987年5月20日第5刷発行
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