表紙は盲導犬シェピイと歩くうつろな表情のユミと同じくうつろな表情をして花を持っているまこ。
主人公は小学校の女の子まこ。三年前が一年生になりたてという表記があったので四年生だと思われます。
まこのお姉さんユミが謎の病気で視覚障害になり精神を病み、盲導犬のシェピイがやってきてからはだんだんとユミが行動的になる…というお話です。
ユミの病気は何なのでしょうか。目が痛んだ後あっという間に見えなくなる病気が謎でした。
そしてシェピイはシェパードなのですが、現在の日本でシェパードを盲導犬にしているというお話はほとんど聞かないのでかなりレアな盲導犬だと思いました。
目の見えないユミのためにいい香りのお花を誕生日プレゼントにしたいと考えるまこは優しい少女です。
ふわっとした物語なのですが、急にホラー展開になります。
シェピイと歩いているユミをお母さんの生霊?が見守っている表現があります。ユミの五メートルほど後ろに薄い影みたいに立ってユミを見守っています。
そしてお母さんの影はどんどん薄くなり消えてしまいました。
これは…怖い…ホラーとしか思えませんでした。
母親の愛情が生霊としてユミを見守っていたのでしょうか…
当時の母親は足を怪我したため松葉杖を持ちギブスを巻いていたのですが、松葉杖なし、ギブスなしで見守っていた事も怖いです。
生霊に対してのフォローがなくお話がおわったのでモヤモヤが残りました。
タイトルは「花をかう日」よりも「ユミを見つめる優しい影」等の方がしっくりきます。
----------
----------
花をかう日
作家 あまんきみこ
画家 味戸ケイコ
発行者 坂井宏先
発行所 株式会社ポプラ社
1999年6月第1刷
----------
----------