幡野広志さんが書いた家族について考えさせられる本です。
全体的に作者が両親に恵まれなかったので今の家族に依存していると感じます。
事あるごとに息子や奥様のお話が出てきます。
そこに息子や奥様のお話が出てこなくては良いのでは?と思う所にも息子や奥様のお話がむりやりねじ込まれています。
はいわかりました、素晴らしいご子息と奥様ですね、としか言えない…
今の家族はべた褒めなのに産みの母親には死ぬまで会わなくていいと思っていると言い切っているのは凄いですけど。
母親には会わなくていいと言っておきながら今の家族の話ばかりしているので精神科的な何かを感じます。
卵巣がんになったKさんのお話も印象的でした。
抗がん剤治療を途中で止めてしまっています。
昔の抗がん剤治療はとにかく副作用が酷かったと読んだことがあるので逃げてしまうのは無理もない気がします。
Kさんの母親が新興宗教にはまってしまったのは病気の子どもを持つ母親あるあるだと思いますが個人的に宗教にはまる人は嫌いなのでKさんの母親は好きになれない。
Kさんも家族とうまくいってないですね。
Mさんは母親を乳がんで亡くしています。
Mさんも家族との仲は最悪。とにかく父親がクズで家庭内暴力をふるいます。
彼女も結局は暴力をふるっていた父親を憎みきれていないし救われない気がしました。
「今夜はブギーバック」のお話は読んでいて恥ずかしくなりました…
こういうのはひっそり心の中で思っていた方が良いお話なのでは…
多発性骨髄腫はがんの中でもとりわけ壮絶な最期を迎える病気という事で安楽死やセデーションについても書かれています。
この病気は末期になると寝たきりのまま嘔吐を繰り返し、胃液が無くなれば緑色の胆汁を吐き、痛みに耐えながらもがき苦しみ、ボロボロになって死ぬそうです。
これは辛い。
安楽死の手続きのタイミングも決めているそうです。
この本のタイトルは本の内容とあまりあっていないような気もします。
とにかく家族!家族!家族!と家族話がやたら多いので普通に仲が良い家族の人が読んだら「?」と思うことが多そうです。
ぼくたちが選べなかったこと=実の親
選びなおす=自分で選んだ家族(配偶者や恋人)
という事なのかな?
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ぼくたちが選べなかったことを、選びなおすために。
著者 幡野広志
発行者 千葉均
発行所 株式会社ポプラ社
2019年5月27日第1刷発行
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