9歳でゴリラに引き取られたヨンナが主人公。
ヨンナは「ヨモギギク園」という親のいない子供の家で生活していました。はっきり「孤児院」とは書かれおらず「ヨモギギク園」で統一されています。
養子縁組をしようと大きなゴリラの女性がヨンナを引き取りに来る序盤のインパクトが凄いです。
ヨンナはゴリランに酷い目にあわされるのではないか、食べられるのではないかとビクビクしていましたが段々とゴリランの魅力に気付いて好きになっていきます。
ヨンナが自転車に乗ろうとしてすり傷を作ってしまうエピソードがとても可愛らしい。
読んでいて、初めは「ゴリラっぽい女性」をゴリランとして見ているのかなーと思っていたらゴリランが本物のゴリラで驚きました。
表紙の絵も比喩表現的なモノとばかり思っていました。児童文学って面白いですね。
ゴリラが人間の子供に養子縁組する発想は無かったです。
ゴリランとの楽しい毎日も町の土地開発計画に脅かされたり、ゴリランとヨンナが引き離されたりと厳しい目にもあいますが、最後はゴリランとヨンナで移動書店をはじめ生活が輝きだします。
初めは言いたいことをはっきり言えなかったヨンナがゴリランと生活するうちに言いたいことを言えるようになっていく様子が丁寧に書かれていて面白かったです。
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ゴリランとわたし
作 フリーダ・ニルソン
画家 ながしまひろみ
発行者 岡本厚
発行所 株式会社岩波書店
2021年4月16日第1刷発行
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