少年チャーリーが耳の聞こえない少女フロッグと出会うボーイミーツガールのお話。
タイトルに「手話の町」とついているだけあって、聴覚障害者がやたら多い町です。盲ろうの男性も登場します。
耳の不自由なおばあさん「アギー」の残した謎とともにチャーリーとフロッグが謎を解決していく…という流れです。
現代の児童文学のお助けマン「スマホやネット」は作者の意向により封じられます。
↓↓↓ 以下は脇役の若いカップルの会話 ↓↓↓
「携帯がつながらないってどういうこと?」
「ニューヨーク市内から北に一時間の場所なのに」
「ここって、なんか変わってるよね」
「携帯がつうじなくて、赤い電話ボックスがあちこちにある」
↓↓↓ 以下は作者の意向によるネットが利用できない事を強調するワード ↓↓↓
「この町は最高!唯一の弱点は、テクノロジーに関しては魔の三角地帯の中心だってことね。携帯電話の電気信号も高速インターネットの光信号も、キャッスル・オン・ザ・ハドソンに足を踏み入れた瞬間にすべて消滅してしまう」
以上の作者からの申告によりスマホや電話やネット等は封じられての捜査となりまどろっこしい…スマホがあれば一発なのに…と思う場面が多数あります。(耳が不自由な人とは電話できませんがメール等は使えると思うし)
この物語は、出てくる大人達がそろいもそろって病的なので読んでいてイライラ…チャーリーの父と母は身勝手でチャーリーを愛そうともせずアスペルガーかな?と思える奇人っぷり、チャーリーのおじいさんおばあさんも認知症かな?と思える話の通じなさ、図書館の職員は発達障害?と思えるほどの態度…そしてチャーリーとフロッグを謎に巻き込んだアギーも知的障害があるのかと最初思いました…
読めば読むほどイライラする大人たちの行動にふりまわされるチャーリーが可哀想になります。
(特にチャーリーの父母とおじいさんおばあさんの話の通じなさは壊滅的)
ただ、モノローグで「ふたり(ここではおじいさんおばあさんを指している)がこんなふうにろくでもない人たちじゃなかったら、チャーリーはフロッグに出会わなかったかもしれない」と書いてあり、まあそれもそうだなと思いました。
ろくでもない大人にふりまわされる子ども…という可哀想な場面から始まるお話ですが、チャーリーとフロッグの出会いは素晴らしいと思ったので結果的にはチャーリーにとっては良い展開だったのかも?
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チャーリーとフロッグ 手話の町の図書館となぞのメッセージ
著 カレン・ケイン
訳 根本美由紀
挿絵 亀井洋子
発行者 小松崎敬子
発行所 株式会社岩崎書店
2021年11月30日第1刷発行
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