斎藤隆介さんの創作童話集です。時代は現代よりは昔で、着物を着ていた時代。
プロローグ 花咲き山
八郎
三コ
東・大郎と西・次郎
ベロ出しチョンマ
一ノ字鬼
毎日正月
モチモチの木
なんむ一病息災
ソメコとオニ
死神どんぶら
緑の馬
五郎助奉公
こだま峠
もんがく
浪兵衛
おかめ・ひょっとこ
白猫おみつ
天の笛
春の雲
ひばりの矢
ひいふう山の風の神
ドンドコ山の子ガミナリ
カッパの笛
天狗笑い
白い花
寒い母
エピローグ トキ
楽しいお話が沢山掲載されていましたが、病気に関するお話もありました。
「ベロ出しチョンマ」ではしもやけで苦しんでいるウメが出てきます。霜焼けはくずれてウミでベットリしているとあるので相当酷いしもやけと言う事がわかります。
このお話は長松というウメの兄が死に際にウメを笑わせようと舌を出して笑いながら槍で突かれて死ぬという悲劇のお話なので可哀想すぎました。
「なんむ一病息災」では胸を病んでいる(病名不明)与茂平が登場。青い子鬼が与茂平にとりつき、子鬼が動くたびに咳をしています。ただ体が弱いながらも体の弱い嫁をもらい、体の弱い子どもを持ち、白髪の生えるまで生きました。
病気の一つくらいはあっても我が身をいたわるヨスガになれば、それこそ永生き(原文ママ)できるというなんとなく現代にも通じるお話でした。
「もんがく」では首が左へかしいだままのおばあさんが登場。生まれて間もなく首もすわらないうちに貧乏故に川へ捨てる為に「ワラヅト」に入れられたため首がまがってしまったと明るく語っています。なんとか捨てられる事をまぬがれたおばあさんですが首がまがったまま馬を育てて立派に生活しています。
「エピローグ トキ」では疱瘡(原文ではホーソー)にかかったトキという少女が登場。疱瘡は治ったものの出来物のあとが穴になって顔中に残ってしまったとあります。あばたでミッチャで色黒でちんちくりんという女性なのにとんでもない言われ方をしています。70になってもトキは独り身のまま。親身に人の事を考える事から皆から好かれるようになります。若い頃は醜く他人から避けられても、人に優しくしていたら人から好かれるようになる…と言う良いお話でした。
病気関連では無いので詳しくは語りませんが「寒い母」という朝鮮のお話があまりにアダルトで子供向けの本に入れて良いのか??とヒヤヒヤしながら読みました。
夫と死別した子持ちの母がよその男の所に夜な夜な通う…というお話。お…大人向け…
滝平二郎さんの素晴らしい絵が沢山掲載されているので絵も楽しめました。
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ベロ出しチョンマ
作者 斎藤隆介
画家 滝平二郎
発行者 鈴木良司
発行 株式会社理論社
1967年初版
1992年7月第93刷発行
発行 株式会社理論社
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