孫の目からみたわすれん坊のおばあちゃんのお話。おばあちゃんの名前はさとちゃんでママのおかあさんです。
認知症という単語を使わず「わすれん坊」と言っているあたり優しさを感じます。
さとちゃんは実は男の子が欲しかったため、わたし(ママ)の事をわすれちゃったのかな、というママのセリフが生々しい…さとちゃんくらいの年代の人だと男の子が欲しかったとか平気で言っちゃう人も多いですし。ママがそれを知っているのが気の毒。いつさとちゃんから「男の子が欲しかった」と聞いたんでしょうか。
認知症になって男の子が欲しかったさとちゃんは女の子であるママの事を忘れてしまってスッキリした様子。認知症って本人の本質が出るのでこういう時辛い。
ママが恋をした日、ママが仕事をはじめた日、ママが結婚した日、ママが幸せだったすべての日にさとちゃんはちょっとだけやきもちを焼いていたそうです。さとちゃんは毒親だったような気がする。
認知症の家族との距離をとった付き合い方がわかる絵本です。
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いつかあなたをわすれても
著者 桜木紫乃
絵 オザワミカ
発行人 北畠輝幸
発行所 株式会社集英社
2021年3月31日第1刷発行
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