世にも危険な医療の世界史、というタイトルそのままに「今の時代から見たら」危険に見える医療の歴史がまとめられています。
当時はまじめに標準治療だと思われているあたりが生々しい。
ラドン入りの水を飲む、頭痛に焼きごて、動物の睾丸を移植…など想像しても怖い内容がずらずら出てきます。
訳者の人がとてもうまく訳しているのか軽い読み心地。
ロボトミーは「危険な」医療と言うよりは「怖い」医療だと思います。
脳をいじくっても意外と人は死なないものなんだな…と思いました。
昔の人は体から老廃物等を出すことが好きだったことがわかりました。
嘔吐したり尿や大便を出したり血液を抜いたり脳を取り出したり忙しそうです。
昔(それほど昔でもない?)の医療行為は驚きの連続でしたが、こういう時代があるからこそ今の現代医療があるんだな、としみじみしながら読むと良い本です。
-------
-------
世にも危険な医療の世界史
著者 リディア・ケイン ネイト・ピーダーセン
訳者 福井久美子
発行者 飯窪成幸
発行所 株式会社文藝春秋
2019年4月20日第1刷発行
2019年6月30日第3刷発行
-------
-------