少しずつ視力が失われ、最終的には目が見えなくなる難病スターガルト病のマファルダが主人公。
マファルダは9歳の時にスターガルト病と診断されました。
作者のパオラ・ペレッティさんも主人公マファルダと同じ目の病気と闘っています。
そのためか目の見えなくなる描写が生々しいです。
ページの上部には数字があり最初は「70メートル」なのですが「60メートル」「40メートル」「30メートル」と桜の木が見える距離が書かれています。あっという間に70メートルから30メートルと見えなくなる距離が減っていくのが怖いです。
マファルダはフィリッポという男の子と出会う事でだんだん明るくなっていくのですが、フィリッポの登場などが唐突すぎて作られた話感がありました。
目の見えなくなりつつあるマファルダに何故か優しくしてくれる都合のいい男の子と言った感じ。
どちらかと言うとツンケンして面倒くさい性格のマファルダに優しくしてくれる男の子が現れるのが不自然でした。
そしてマファルダは泥棒です。
木の上で暮らしたいから、とキアラのビーチマットとチッチョのタッパーを無断で盗み自分の物にしています。
元の持ち主に全部返すと書いてはあるけどそもそも泥棒は良くない。
マファルダは目が見えなくなる自分は何をしても良いと考えている所がかなりあります。
泥棒するのではなく、きちんとキアラとチッチョに了承を得て借りるなどで対処すれば好感が持てたのですが…
しかもマファルダは自分の虫眼鏡をケヴィンに盗られたときには大騒ぎしてします。
あなたは友達にも同じことしてるんだからね!と言いたくなりました。
マファルダは友人の物を盗ったことに対しては全く反省していなさそうです。
ラストは仲の良かった用務員さんのエステッラからの手紙がメインです。
どうやらエステッラは乳がんで亡くなったようですがはっきり病名は書かれていませんでした。
本当に唐突に亡くなるので驚きました…
病気と闘う人に何故か人気のある星の王子さまのお話が少し出てきます。
表紙や本文のイラストがとてもオシャレです。
----------
----------
桜の木の見える場所
作 パオラ・ペレッティ
訳 関口英子
イラストレーション まめふく
発行所 株式会社小学館
2019年11月25日初版第1刷発行
----------
----------