窃盗症(クレプトマニア)の元マラソン選手の原裕美子さんの本です。原さんが実際に書いたわけでは無く「著者の口述をまとめたもの」とあります。
ニュースで何度も泥棒や万引きで取り上げられているので「原さん=万引き」というイメージが出来上がっていますね。
原さんはマラソンで走る体型になるために食事制限をしすぎて、過食症と拒食症(過食をともなう拒食症)となり過食嘔吐で栄養不足のため骨粗しょう症、疲労骨折、怪我、骨膜炎、坐骨神経痛、足底筋膜炎…など、多数の病気などとも闘う事になります。
大金をだまし取られたお話もいい大人がそんな話に引っかかるのはちょっと…と思ってしまいました。マラソンの世界だけで生きていたとはいえ世間知らずすぎで少しあきれてしまいました…
物を盗む→後悔して大騒ぎ→物を盗む→また後悔して大騒ぎ→物を盗む→またまた後悔して大騒ぎ→物を盗む→またまたまた後悔して大騒ぎ…をくり返すのでクレプトマニアの怖さが良くわかります。
ただお店側としては万引きはたまったものじゃないです。病気だからといって物を盗んで良いワケない…原さんもあまり店側に対しては悪いと思っていない様子が感じられたのでなんだかなあ…と思いました。
摂食障害からクレプトマニアになる人が多いらしいのですが、食べ物を大事にしない過食嘔吐に悪いイメージしかないので堂々と過食嘔吐について書かれているこの本に少し不快感を感じました。
原さんも「母の作ったものは吐かない」とは語っているものの、原さんが食べ吐きした食べもの達は「誰かが作っている」食べものという事がわかっていない感じがしました。原さんがコンビニやスーパーで買った(もしくは盗った)お菓子なども「一生懸命に誰かが作って」いるんですよ…と言いたい。
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私が欲しかったもの
著者 原裕美子
発行者 島野浩二
発行所 株式会社双葉社
2021年3月21日第1刷発行
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