ロボットの名前は「XR935」で女の子の名前は「エマ」。いわゆるロボットミーツガールのお話です。
人間は環境汚染で世界を破壊し戦争を始めた「悪」としてロボット達が信じ込んでいる世界観です。人間とロボットは闘い、人間が負けて絶滅したと思われていた世界で「エマ」と出会うXR935が慌てふためく形で物語が進んでいきます。
滅んだと思われた人間達はバンカー(地下)でひっそり生きていて、その人間世界でインフルエンザの様な病気(はっきりした病名不明)が流行り、エマが助けを求める為に地上に出てきた事が物語の鍵となっています。
なぜかエマは伝染病(病気)にかからなかったのですが、理由は最後まで語られず…実はエマはロボット(もしくは両親が作ったアンドロイド)だった、とか思いながら読んでいたので肩透かしを食らった気分。
エマの父が犬アレルギーで実際の犬は飼えず、ロボット犬を愛していたとか思わせぶりに語られていてロボットを家族と考えられる父親が存在していたのでこれはエマがロボットである伏線なのか?と思いながら読んでいましたよ。
ロボット達は何故か初対面であるエマを献身的に支えるので「謎」でした。XR935だけならまだバグ的な事もあるし…と考えられるのですが、「シーロン902」と「SkD988」も即エマに親切にしています。(私はエマをアンドロイドと思いながら読んでいたので父親がロボット達がエマを助けるようなシステムを組み込んでいたと思っていた…)
エマの母はネズミを実験動物に使っている研究者でエマは実験動物のネズミを可哀想に思い逃がすのですが、ネズミはケージの中に戻って来てしまいます。このネズミを想像しながらバンカー(地下)に戻りたいと語っていたエマが健気でした。
謎な部分(エマが伝染病にかからなかったこと、エマがロボットに親切にされた事等)がありますが映画化が決定しているそうなので楽しみです。SkD988の絵文字で会話するシステムがカワイイので映像で見たら楽しいかも。日本版の挿し絵が素晴らしいのでこの絵でアニメ化して欲しい所。(英語版の表紙はダサいです)
----------
12歳のロボット ぼくとエマの希望の旅
著者 リー・ベーコン
訳者 大谷真弓
イラスト 朝日川日和
発行者 早川浩
発行所 株式会社早川書房
2021年5月20日初版印刷
2021年5月25日初版発行
----------
----------
英語版…エマが普通…
----------
----------
----------