筋ジストロフィーの福嶋あき江さんが書いたご自身の記録本です。
前半は主に日本での苦労生活、後半はアメリカでの生活が書かれています。
前半と後半の生活の落差が凄い。
前半は日本での施設の話が多いので暗いです。
前半は筋ジストロフィーのため施設生活を強いられ自由もなく苦労や我慢の連続ですが、後半は介助者の武田恵津子さんとアメリカに旅立ち、まさに自由の国アメリカらしい生活を送ります。
生々しかったのはアメリカでともに暮らした介助の武田恵津子さんと最後には「お互いに口もきかない、顔も見たくない」関係になってしまったこと。
性格が根本的にあわなかったのでしょうね。
障害者と介護者との問題はいつだって付きまとうものなので仕方ないとはいえここまでこじれる人達はめずらしいので運が悪かったとしか言いようがありません。
ただ筋ジストロフィーと言う障害を持つ女性の全介護という事がわかっていて付き添っていた武田さんの方が悪かったのではないか?と思ってしまいました。
期間限定生活のアメリカなのだから健常者の武田さんはいくら福嶋さんが嫌いでも顔を見たくなくても我慢するべきだったのでは…
武田さんの文章も「青春の区切り」として掲載されていますが言い訳が多いかな…
武田さんは高野さんというある筋ジストロフィー患者にむかって「まだ生きていたのですか」とか言ってしまう人なので無神経なことはわかりました。
武田さんは看護師や介護には向いていないタイプだと思いました…
福嶋さんは87年7月20日に29歳の若さで亡くなりますが、苦労の連続だったとしてもアメリカでの生活は良い思い出となったのではないでしょうか。
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二十歳もっと生きたい
著者 福嶋あき江
編者 柳原和子
発行所 株式会社草思社
1987年11月13日第1刷発行
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