視覚障害の「わたし」が主人公。特に名前の設定はありませんが10代の女性と思われます。
初めは目が見えていましたが、だんだんと見えなくなり現在は「ケイン」を使わなくてはいけないほど目の障害は進んでいます。
ケインとは白杖の事です。韓国では白杖を「ケイン」と呼ぶのですね。
「わたし」は「ケイン」を使うと自分が視覚障害である言葉がばれてしまい恥ずかしいため「ケイン」を使わず歩いています。階段から転がり落ちたり、街路樹にぶつかったり、女の子にぶつかったりしてもかたくなに「ケイン」を使いません。
韓国人は(もちろん一部の人とは思いますが)視覚障害者に冷たく「前もちゃんと見えていないくせに、外なんかうろついてどうするんだ」「ほっつき歩いて事故でもおきたら迷惑だ」と「わたし」にひそひそ声でいいます。(絶対ひそひそじゃなく、見えていないから普通に話している)
「わたし」だけでなく点字図書館であった「男の子」も「近所のやつらにからかわれる」と白杖は使いません。
韓国の視覚障害者ってものすごく辛くないですか??ただでさえ盲導犬が少ない国なのに白杖を使うことすら蔑まれるなんてひどい。
最後に「わたし」は吹っ切れて「ケイン」と歩けるようになります。元気よくケインと共にあるく「わたし」の人生が明るい事を望みます。
----------
ケイン、きょうもよろしくね!
文 ソン ギヨク ぺク ウンジュ
絵 シン ドゥヒ
訳 高橋昌子
発行所 株式会社新日本出版社
2021年8月10日初版
----------
----------
----------
----------