闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

ミアの選択

高校三年生の17歳の少女、ミアが主人公。

雪の日に家族とドライブに出かけて4トントラックに突っ込まれ家族四人で交通事故にあい、両親は即死、弟のテディも死亡。ミアだけがかろうじてぎりぎり生きていて瀕死のまま過去を振り返る形でお話が進みます。

 

交通事故にあうまでのスピード感が完璧でした。良くある幸せな家族の朝が書かれて17ページで事故にあいます。

トラック運転手は軽い脳しんとう程度なのに唯一生き残ったミアは瀕死なのがとても痛々しい。無気肺、脾臓破裂、内臓出血、脳挫傷、肋骨の骨折、皮膚ははがれ顔も美容整形が必要になる状態。ここでミアがОマイナス(RHマイナス)という事がわかります。

 

ミアにはアダムという恋人がいて、彼は水疱瘡になったミアの為に一週間毎日部屋の窓辺に花を飾ってくれたり、見知らぬダウン症の男の子が母親に叩かれているのを見て涙を流したりする優しい人です。

 

ミアは死にかけながらも幽体離脱?のように体を抜け出て、アダムとの過去を思い出したり家族や友人とのやり取りを思い出したりしながらなんとか現世に引き留められています。

 

とは言えあまりミアに感情が入ることなく淡々と読めてしまう部分が多い物語でした。

ミアは家族、恋人、友人、音楽の才能、たぶんルックスも良く(アダムのほれ具合から察した)…あらゆるものが恵まれ過ぎていてミアの元々の悩み自体とても贅沢な悩みです。贅沢な悩みをウダウダ考えながら過去を振り返っているので「へー…」としか思えずなんだか冷めた感じで読んでしまいました。

 

最後はミアが生き返ったかどうかハッキリしないままで終わるのですがこのお話には「続編」があるので生き返ったのでしょう。日本だと未翻訳っぽいですね。海外レビユーを翻訳にかけると続編はアダム側からの語りだそうです。アダムがなぜミアにベタ惚れだったのか気になるので是非翻訳して欲しい。

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ミアの選択

著者 ゲイル・フォアマン

訳者 三辺律子

装画 丹地陽子

発行者 山川史郎

発行所 株式会社小学館

2009年11月23日初版第1刷発行

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