闘病記しか読みたくない

闘病記しか読みたくない管理人「つばめ」のブログです。日本中の闘病記が読みたい。悪趣味だと言われようが闘病記や病気をテーマにした本から感じ取れる生への記録に感動している毎日。本の紹介はネタバレを含みます。道端のポスターの写真等を撮るのも好きです。すべての写真は自分で撮影しているものです。

夜フクロウとドッグフィッシュ

心配性で神経性喘息を持ちベジタリアンのエイブリー・ブルームと代理母から産まれ、保護犬と暮らしているベッド・デヴリンの2人が主人公。

2人はどちらもシングルファーザーに育てられ、父は二人ともゲイ。二人の父が付き合っているとベットが気が付いて、エイヴリーにメールを送った事から物語がはじまります。

娘二人は同じ年齢の12歳ですがLGBQにものすごく理解があります。(12歳にしては二人とも頭が良すぎる気がしました)

 

特徴的なのはこの本はメール等のやり取りでほぼ話が進んでいく事。コロコロ文体が変わるので読みにくかったりするのですが「!」を多用し勢いのあるメールを書くベットときちんとした文章で丁寧な文をかくエイヴリーの対比がとても面白いです。Wi-Fiが届かない所では手紙でのやり取りになるところも面白いポイントでした。

 

ベットとエイヴリーの父がイチャイチャ中国旅行をするためにベットとエイヴリーをキャンプに無理やり行かせようとするあたりで「あ、ダメだこの父親2人とも恋愛脳タイプ」と思いましたが最後までクズ親でしたね…

父親2人は中国旅行に行った後は速攻別れるし、別れたあとは即新しい恋人を作っちゃうし父2人が出てくるたびにイライラしていました。

特にエイヴリーの父は確実に毒親なのでエイヴリーは母親と過ごした方が良いと思いました。

 

ベットは二回目のキャンプで脳しんとうを起こし、それをきっかけに家族がまとまる…という茶番があるのですが、ここでも父親達二人はクズでした。父親2人はそのうち娘たちから愛想をつかされると思います。

 

外国のお話だと感じたのはエイヴリーが遺伝子検査をして自分のルーツを調べていたこと。12歳にして(実際には12歳よりも前に遺伝子検査をしているのかもしれませんが)自分のルーツ探しをするのは凄い。物語に何の関係もありませんがこういう文章があるとハッとします。

ベットがエイヴリーに生理になったかどうか尋ねるあたりも現代っ子っぽいです。

 

オチとしてはある意外な二人が結婚します。これにはビックリ。

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夜フクロウとドッグフィッシュ

作 ホリー・ゴールドバーク・スローン メグ・ウォリッツァー

訳 三辺律子

装画 サイトウユウスケ

発行者 野村敦司

発行所 株式会社小学館

2020年7月14日初版第1刷発行

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