多発性硬化症のいとこのせいちゃんが見たいと言った映画を探しに広島から京都へ向かう中学生のイルキとハジメが頑張るお話。
そもそもせいちゃんがはっきり「見たい映画」を言わないのが問題な気がします。
「見たい映画があるチラッチラッ」としながら自分は病気を理由に何もしていないせいちゃんがズルすぎる。病気のショックなどもあるとは思いますが中学生にここまで気を遣わせる大人って…ダメ大人じゃん。(せいちゃんはイルキの10以上年上という表記があります)
BLばりのイルキとハジメのイチャイチャぶりが楽しめますが全体的に女性の影がないので作者は少し狙っているのかもしれない。
ハジメの父が「うつ」らしい描写がある所が現代のお話っぽいです。はっきりうつとは書かれていませんががんばりすぎて何もできなくなってしまった父を疎ましく思う気持ちが生々しい。
最後のユーヤへのいじめ描写は無かった方がよかったかも。さわやかに旅が終わったままで読み終えた方がすっきりしていたのにいじめ描写でおわったのでどっと疲れました。
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星屑すぴりっと
著者 林けんじろう
装画 いとうあつき
発行者 鈴木章一
発行所 株式会社講談社
2022年8月23日第1刷発行
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