血友病の治療で薬害エイズになり死亡した兄弟の物語。兄弟二人とも血友病で同じ薬害エイズで亡くなるという現実が生々しいです。
兄の広太さんは頭蓋内出血の治療の後遺症で知的障害が残ってしまいました。広太さんはかぜや肺炎、点頭てんかんなどの治療もしており体がとても辛そうです。
弟の健さんも口内炎やじんましん、サイトメガロウイルス網膜炎などで治療の連続です。
おや?と思ったのが「チベット療法」でのインド行きのお話。広太さんが亡くなってからの父の道雄さんと母の佐代子さんは健の死の影におびえ、ありとあらゆる治療をしています。食事療法、漢方、お灸、ヨガ等。これらは実際に体に良いものもあるので良いでしょう。しかしチベット療法を信じてのインド行きはだまされているとしか思えなかった…おそらく高額であろう薬を半年分購入したりサイババに会いに行ったりペットボトルに入ったペットボトル入りの薬水を六本十万円で購入したり…(あきらかにだまされている)
特にサイババは当時から詐欺師でただの手品師だと言われていたのにぞっこんに信じてしまっている父の道雄さんが怖すぎる…こういう方は宗教にはまりやすそうなので周りが気を付けてあげないといけない気がする。サイババを信じたら病気がなおると吹き込まれたであろう健さんがものすごくかわいそうになりました。
川田龍平さんの寄稿も巻末に掲載されています。
気になった点は巻末のタイトル間違い。「12歳 命の輝き 薬害エイズ「に」逝った兄弟と巻末には掲載されています。本のタイトルを間違えるのは許されない。
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12歳 命の輝き 薬害エイズで逝った兄弟
著者 鈴木英二 坂上博
発行者 堤眞一
発行所 あすか書房
発売元 教育書籍株式会社
1997年10月20日初版第1刷発行
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