主人公は重度の脳性まひの14歳のジェマ。
ある日殺人事件がおこり、偶然にも犯人を知ってしまったジェマはその犯人をみんなにつたえたい。けれどジェマは重度の脳性まひで相手に意思を伝えられない…という障害を持ったジェマが相手に意思をどうにか伝えようとする、というお話です。
ジェマは2歳の時から里子として両親の家で暮らし、妹の9歳のオリビア、6歳の自閉症児のフィンと暮らしています。三人とも里子です。
ジェマの両親はジェマとフィンと二人の障害を持った子供を引き取った凄い人たちです。
ジェマは実は双子で、同じくよそで里子になったジョディという姉がいました。
ジョディは全くの健常者でジェマは少しジェラシーを感じている様子。
物語が進むとジェマは鼻呼吸による意思疎通ができる器械をつけてもらうのですが、この器械をつけるまでがとにかくダラダラしています。
345ページの本で274ページあたりで意思疎通ができる様になります。
もう少し早く意思疎通ができる様になっていると良かったかも。
鼻呼吸で意思疎通ができる様になると物語のスピードが増してとても面白くなります。
気になったのはジェマの介護ヘルパーのサラが尻軽すぎた事。
いつも男にフラフラしていて介護ヘルパーとしてはダメなタイプなのでは…
(男好きすぎて最後には監禁事件に巻き込まれるのですが自業自得としか思えませんでした…)
登場人物全員にクセがあるので落ち着きがない物語ですが、ジェマだけが犯人を知っているという状況がスリリングでした。
表紙はジェマだと思うのですが美化しすぎです。
小説の中のジェマの顔の描写は「(双子の姉ジョディの)顔を横にぐしゃっと押しつぶしたのが私の顔」とあるので表紙のような美少女描写は間違っていると思われます。
リアルに障害を持った人物を描いて欲しいというわけでは無いのですが、手足の自由もきかないジェマは両手で自分の口をおさえるという動きもできないため表紙詐欺と言えるのではないでしょうか…
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秘密をもてないわたし I Have No Secrets
著者 ペニー・ジョエルソン
訳者 河井直子
カバーイラスト 遠田志帆
発行者 株式会社KADOKAWA
2019年2月21日初版発行
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