「羽田秋葉」が「牧村春桜(はるか)※母方からの遺伝性の心臓病と闘っている」と出会うボーイミーツガールと、小学生で小6の「千景」が中二の「羽田夏芽※脊髄損傷で車椅子生活」と出会うボーイミーツガールの二つの話がメインで話が進みます。
どちらのボーイミーツガールも女性が病気、障害を持っていてワンパターンです。そしてどちらも女性はグイグイ系で男性はウジウジ系。
「秋葉」と「春桜」の出会いは意味不明。モデルもしている誰もが振り向く美女の「春桜」が背は高いが冴えない「秋葉」に一目あって「結婚しよう」と結婚を申し込みます。動物じゃあるまいし一言も話さず「結婚しよう」発言はありえない。
秋葉も最初は春桜を嫌っていたものの、なんの脈絡もなく春桜にぞっこんになっているし結局は顔で選んだ感が凄い。
「千景」と「夏芽」の出会いも意味不明。出会って間もなく千景を「カイドーくん」と勝手に読んで「(自宅に)泊まってく?」と車椅子でにじり寄ります。
東京から大阪に来た見知らぬ小学生を普通家に泊めるか?
話の内容としては春桜が出せないままでいた手紙を東京から大阪まで小学生の千景が届け、数年越しに秋葉と春桜が出会い、千景は再開する二人の恋のキューピッド、という流れなのですが…
いい大人が小学生に手紙を運んでもらってそれをきっかけに出会うとかみっともなさすぎ…春桜は流産し心も体も傷付き、母と同様に心臓を悪くし入院までしているのに秋葉は7年も放置していた事になります。小学生の千景がすぐ秋葉の居所を検索できたように、秋葉もすぐ春桜を検索できたはず。(春桜は元人気モデルでもあるので情報ならいくらでもネットにあるでしょう)
大人なんだから自分の恋の結末は自分で決着をつけましょうよ、と思いながら読んだ一冊でした。
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生きてさえいれば
著者 小坂流加
カバーイラスト 白身魚
発行者 瓜谷綱延
発行所 株式会社文芸社
2018年12月15日初版第1刷発行
2018年12月25日初版第2刷発行
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