表紙は線路の上に立つ山田千紘さん。両足切断で義足使用、右腕切断で見た目のインパクトはありますが美青年がニッコリ笑っているので明るい印象の表紙です。
2012年7月24日に電車に轢かれ手足三本を失った山田さんですが、現在は航空関連会社の社員として仕事をし生活を送っています。
youtubeで語られている部分も多いのですが文章で読んでみると違った印象があります。
事故にあってからの家族とのやり取りは特に印象的。お兄さんが良い人。リハビリ中の看護師さんとのやり取りや友達との会話で山田さんが愛されている人という事がわかります。
中学時代の不登校のお話が以外でした。明るい性格の山田さんなので不登校とは縁がなかった様なイメージがありました。
「制度の隙間に落ちた僕」という内容が驚きでした。事故にあった時にちょうど国民年金も厚生年金も支払っていなかったので受給資格が無かったとの事。事故にあった駅も通勤経路から外れていたため労災保険も利用不可。確かに10か月も国民年金と厚生年金を放置していたのは問題ですが、20歳ぐらいで年金の事を考える人はほとんどいないと思うのでなんとか手当を受け取れるようにしてほしかった。
出会った人たちとの思い出も印象深い物ばかりです。
14歳の骨肉腫と急性骨髄性白血病の片脚を失った女の子との対話や、脳性まひで足が不自由なユーチューバーの寺田ユースケさんとの出会い、交通事故で右足切断(大腿部から失う)の小須田潤太さんとの出会い、先天性による左全指欠損のそうちゃんとの出会い…等。
オズール社と山田さんを橋渡しした楡木さんとの出会いで語られていた楡木さんは失礼な人かも…山田さんと話をしていて急に「私の面接に合格~」と言い放つ人は人としてどうかと思います。まあ、山田さんがまったく気にしていないので私がどうこういう事ではありませんが。
(私だったら人と普通に会話していて「私の面接に合格~」なんて言われたらその場で帰りますけどね…)
表紙では義手は外している写真でしたが、巻末の写真には義手をつけている山田さんの写真や出会ってきた人たちの写真も掲載されています。
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線路は続くよどこまでも 手足3本失った僕がどん底から希望を見るまでのすべて
著者 山田千紘
発行者 伊東岳人
発行所 株式会社廣済堂出版
2021年8月3日第1版第1刷
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