デュシャンヌ型筋ジストロフィーの栗原征史さんの「神さまに質問」に続く二冊目の本です。
メインは栗原新聞ですが、ボランティアさんの投稿があったりバラエティがあり読み応えがあります。
前回から影の薄かった父親がとうとう空気になってしまいました。
病気の悪化で入退院を繰り返し、自分で自分の事が出来なくなっています。
何十年も務めた会社をリストラされ、心と体にダメージが貯まり入退院をくりかえしています。
全介護の息子に加えて夫まで世話をしなければならない奥様の富子さんが気の毒です。
障害のある息子がいると父は「よし頑張るぞ」となる事が闘病記を読んでいると多いのですが、栗原さんの父は心が折れてしまった様子。
ただ、富子さんと妹さんのメンタルが強い為、かなり救われています。
栗原さんが22歳で人工呼吸器をつけるお話があり、ハラハラしながら読みました。
手術などの描写がリアルなので読んでいて苦しい…
富子さんの「人工呼吸器と共に生きる」のコメント欄が人工呼吸器への思いが綴られていて読み応えがありました。
性の話題、心のバランスが崩れた話題などもあり、自宅での生活の苦労や考えなどが詳しく分かります。
巻末に木村登紀子さん(聖路加看護大学教授・臨床心理士)のお話がまとめられています。仙台の国立西多賀療養所へ訪問し、筋ジストロフィーの型と知り合った事が書かれていました。
タイトルにもなっている「命の詩に心のVサイン」は最初のページ部分と最後の〆として掲載されています。
栗原さんの思いが表された良い詩です。
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命の詩(うた)に心のVサイン 筋ジストロフィーを生きたぼくの26年
著 栗原征史
発行 佐藤悦子
ラ・テール出版局
1999年7月10日第1刷
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