18トリソミーの凱晴くん目線で書かれた本です。
子供がここまで考えるかな??と思いながら読んでいたのでもやもやが残りました。
こういう闘病本ではお母さん目線の方が話に入りやすいのですが、なぜか子供目線なので2歳の子供はここまで考えないよ…と思いながら読んでいました。
18トリソミーは良くならないため、お医者さんは治療に対してはドライです。
「治る見こみのない子が、病院のベッドをひとつ占領してしまったら、そのベッドが使えなかったために、助けてあげられる命を助けることができなくなってしまいます」
と医者に言われてしまうくらいお医者さんも厳しい。
医者にそこまで言わせてしまうくらいの病気ということがわかります。
食道閉鎖症のために胃ろうをつくったり懸命な治療や介護などが続くのでお母さんの負担はすごいものになっています。
作者の住んでいるところの福祉対策はあまり良くなさそう。
可愛そうだったのが凱晴くんのお姉ちゃん。
お母さんお父さんが凱晴くんにほぼつきっきりなのであまり構われずにいます。
甘えたい大事な時期なのに甘えられなくて気の毒…
何回も何回も危機が出てくるので、正直お医者さんの「積極的な治療はしない」方針が正しい気がしました。
「こういう障害を持つ子どもをもってしまって、生活していくことが大変になり、こわれてしまった家族をいくつも見てきました。だから、無理に命を助けたりせず、自然にまかせてお空へ送ってあげたほうがいいのかもしれません」
というお医者さんの言葉が心に残りました。
お母さんとしては辛いでしょうけどここまでピンチが続いて辛くて痛い思いをするよりは自然にお空へ送ってあげたほうが凱晴くんも幸せかも…とどうしても思ってしまいました。
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命をくれてありがとう ぼくは18トリソミー
作 わたなべえいこ
発行者 政門一芳
発行所 株式会社 汐文社
2006年12月初版第1刷
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