15歳の少年ネイサンが主人公。
ネイサンは健康そのものですが親友のサイモンが筋ジストロフィーです。
サイモンの筋ジストロフィーの型は作中では出てきません。
訳者の田中亜希子さんがあとがきでデュシェンヌ型と思われますと書いています。
ネイサンとサイモンのやりとりが現代の若者という感じです。
ニュージーランドの本なので日本の少年たちとは少し違う考え方を持っている気がしますが楽しい雰囲気が漂っています。
ネイサンの性格は目立つ存在ではないと書かれていますが日本だと目立つ性格だと思います。
ネイサンから見たサイモンはいいやつで目が離せない感じなのですが、ずっと見ている分、サイモンがじりじり弱っていく様子が怖いようです。
本のなかではあまり時間が過ぎていないのですがサイモンがみるみる悪くなっていくのが少し不思議でした。
ネイサンのお母さんがかなり深い事を言っています。
「障害のある子どもと暮らすと、いい結婚生活はさらによくなるし、悪い結婚生活はさらにひどくなる」
…わかります。
障害を持っている子どもをもつ親はさらに円満になるか離婚するかどちらかになることが多い気がします。
最後にサイモンは不幸にも亡くなってしまうのですがネイサンはサイモンと友達だったことを誇りに思っています。
ネイサンの両親の不仲も解消しつつありかなり前向きな終わり方。
サイモンとネイサンの関係性がとても爽やかでした。
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僕らの事情。
著者 デイヴィッド・ヒル
訳者 田中亜希子
発行者 足立龍太郎
発行所 株式会社求龍堂
発行日 2005年9月25日
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