介助犬のトレーニングをうけていた「大郎」が野田良雄さんとの合同訓練をへて、りっぱな介助犬になるまでの物語です。
野田さんは中学一年の時、体の筋肉がだんだんと萎縮していく病気と診断されます。
野田さんの病名はハッキリ書かれていないのですが、モデルの「野口利男さん」は「筋ジストロフィー・進行性筋萎縮症という病気」のためカテゴリーでは筋ジストロフィーで設定しています。
大郎のモデルは介助犬「グレーデル」です。
野田さんの奥様(足がマヒしており不自由で車椅子生活)が盲腸炎で手術し腹膜炎で入院が長引き、野田さんの生活がままならなくなります。
野田さんは奥様が退院するまで施設に行くことにし、大郎は元いたトレーニングセンターに戻る事になります…
ここからありえない行動を大郎はします。トレーニングセンターからの脱走です。施錠管理していないトレーニングセンターは失格。介助犬になる犬は大きい犬が多いのに鍵の管理が甘いのは非常に危険。犬を脱走させてしまう訓練施設はあってはならない施設だと思います。
最後は無事に太郎は介助犬になれてハッピーエンドで終わります。体重の重い野田さんの介助で歯が折れそうになったりしているので太郎の歯が心配になります。
あとがきで「介助犬は脱走したりしません」と書いてありました…が、児童書でわざわざ現実を捻じ曲げてまで盛り上がるように「脱走」という物語をつけ足しても良いのか??と思いました。児童書ならば「真実」を書いた方が絶対良いと思います。
子供の時って一度読んだ本を意外とあいまいに覚えるので介助犬=脱走すると信じてしまう場合もあるかと思われます。(私は子供の頃なんてあとがきは読みませんでした)
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さよならのむこうに明日があるよ ぼくは介助犬大郎
著者 岸川悦子
画家 安永幸夫
発行者 江口克彦
発行所 PHP研究所
2000年8月21日第1版第1刷発行
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