ミッドナイトも最終巻となりました。手塚治虫漫画全集にはブラック・ジャックの出てくる最終回は収録されていませんでした。最終回が読みたければ「文庫」の方を新たに購入しなくてはいけないようです。
気を取り直して(手塚治虫漫画全集での)最終巻を読むと今回も病気に関する内容がありました。
ACT.1では死刑囚メインとなります。星に向かってタクシーを走らせる死刑囚とミッドナイトの対話がメインなのですが実際にこの死刑囚を乗せて走ったか走っていないかぼやかされた終わり方となっています。
ACT.2では心筋梗塞と診断されたおじいさんが登場。バイオリンづくりにまさに命をかける山内剛蔵さんが世界的巨匠のウイルムスさんへバイオリンを届け、彼の演奏を聴きながら亡くなるという本人にとっては未練のない終わり方。この山内さんは職人気質の頑固っぽい性格をしていますが、息子とお嫁さんに愛されていることがわかります。
ACT.7では急性アルコール中毒で倒れた磯木という学生が登場。彼は父親の上司が無理やり父にお酒を飲まそうとしたのをかわりに飲んで倒れたのですが、飲ませた事実を覚えている仲居さんを探しだす手伝いをします。ミッドナイトが磯木のいる洪陵高校のファンと言う事がわかりました。
ACT.9ではミッドナイトの彼女が脳死になった原因の「木」が出てきます。ミッドナイトと彼女がぶつかったケヤキの持ち主が25年前に車に奥さんと子供を殺され(わざとではなくはねられて死亡)故意に自動車事故を起こすよう私道にカーブを作り事故が起こるように仕向けていたのですが…この男は80人ものドライバーを殺した殺人鬼と言えるのでは。最後はミッドナイトにケヤキを倒され「心を入れ替える」のですが、80人もの死亡事故を起こさせといて改心してもなあ…といったオチ。「魔のカーブ」から「やす子のカーブ」と危険なカーブは名前を変えますが80人の死をちんたら待つより妻と子供を殺した男を殺した方が話は早かったのではないでしょうか…(とっくに刑務所から出てきているでしょうし)
そしてミッドナイト「完」という文字。………この続きも手塚治虫漫画全集に入れて欲しい…
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ミッドナイト6 手塚治虫漫画全集359
著者 手塚治虫
発行者 山野勝
発行所 株式会社講談社
1995年8月17日第1刷発行
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