進行性の病気のシゲルが主人公。
病名は一回も出てこないのですが筋ジストロフィーとしか思えない描写ばかりなので筋ジストロフィーのカテゴリーにまとめました。
登場人物全員が妙に生々しい。
シゲルが病気とわかったら一緒にお風呂に入らなくなったりシゲルに冷たくあたったり妹ばかりかわいがるお父さんがものすごくリアル。
ぼくのじんせいはフィクションですが実際このようなお父さんは多いと思います。
お父さん、お母さん、妹の三人から疎まれていると感じているシゲルが可愛そう。
施設に入る入らないのあたりはリアルすぎて読んでいて辛いです。
施設の件は森先生が悪いよね…
本人に言わずに施設の話を母親に言うのは反則でしょ。
先に亡くなってしまった先輩の青木さんが神様を信じていたので神様論が出てくるのですが宗教を持たない私は読んでいてゾワっとしました。
シゲルは「神さまなんか信じない」
と言っていますが友人同士で神様の話って普通するのだろうか…
最期あたりにシゲルは悟ったのか明るくなります。
家族へのお手伝いをしてほしい時の頼み方もぐっと丁寧になります。
最初の頃のシゲルは「お茶、飲みたい」「寒いからストーブつけて」という風にぶっきらぼうでお礼もなしでそりゃ家族も手伝いしたくなくなるわな…と思っていました。
今後お父さんは帰ってくることはなさそうですが少し明るく過ごせる希望が持てる終わり方で良かった。
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ぼくのじんせい シゲルの場合
作家 丘 修三
画家 立花 尚之介
発行所 株式会社ポプラ社
1997年12月第1刷
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